読んでも楽しくないやつ

ACやめたい主婦の自分語り

強迫性障害の脳内

色々なストレスにより強迫性障害の確認強迫がひどかったころの話

私自身このような経験談に引っ張られたことがあるので、現在進行形で悩んでいらっしゃる方は特に見ないでください。

どのような感覚か興味がある方、自分は絶対に大丈夫という方だけお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

ある日突然仕事に行けなくなった。

心臓がドクンと強く鳴り、血の気が引いていく感覚。最初は鍵やガスの元栓に違和感を覚える程度だったが、どんどんエスカレートしていった。

玄関の鍵もガスコンロも元栓もコンセントもペットボトルも、全てに納得がいくまで家を出られない。ずっと焦燥感や恐怖が頭を支配していた。特に火事と家や物が壊れることが怖かった。

 

 まず、ペットボトルなどの液体が入っている容器は、もし何かの原因で漏れても大丈夫な所にしか置けなかった。基本的に大切なものは小さなテーブルの上にまとめ、テーブルの下に液体をまとめる。化粧水、画材、飲み物等。もちろん床置きだ。液体はとにかく一番下になければいけない。

 

コンセントは刺さっていなくても自然発火が恐ろしかった。毎日冷蔵庫以外のプラグを抜き、シンクなどの角を使って床につかないように浮かせないといけなかった。そうすると浮かせてぶら下がったコードの長さの比率が気になった。比率がおかしいと燃えるかもしれない。微調整を重ねた。

 

コンロは何度も回して閉まっていることを確認した。その後五徳周りを何度も手で触り、冷えているか確認する。何度も触ると手の温度がうつって温まっていくので、また時間を開けて再度確認した。

元栓も何度も締め直した。捻りすぎると逆に駄目な気がした。ぴたりとくるまでやり直す。やり過ぎで壊れることに怯えながらやめられなかった。最後に指さし確認をして、声に出して大丈夫、とかOK、なんて言ってみる。その言葉は毎日新しいものでなければいけなかった。

最終的に携帯で写真を撮ったり、一緒に確認してくれる子供達を妄想したりするようになった。確認のための儀式は思いついただけ増えていって余計に自分を苦しめた。安心を買うために不安を作り出していた可能性もある。

 

最後の難関は玄関の鍵。ガチャリという音がする。その衝撃で元栓が開いた気がする。頭の中で家がメラメラと燃える。その悪い考えを振り切りドアをガチャガチャと鳴らして鍵がかかったことを確認する。駄目だ。たぶん今の音でコンロに火がついてしまった。慌てて鍵を開け家に戻る。

靴を履いたり脱いだりしたら、空気の振動で何か起こってしまう。土足でコンロに向かいまた確認する。コンロ、元栓、コンロ、元栓…。玄関とコンロの間の床に足跡がつく。

 

あ、コードの角度が嫌だ。ペットボトルの蓋も閉めすぎて爆発するかもしれない。スプレー缶も程よい広さの場所に間を開けて並べなくちゃ……全てやり直し。

 

最難関の玄関の鍵は閉まっているかわからず何度もガチャガチャして鍵を開け閉めしての繰り返し。どうにか駐車場まで行けても、すぐ不安になり階段を駆け上っていた。近所の人に監視を頼もうとまで考えた。ずっと家にいてくれる人を雇いたいくらいだった。

 

色々とおかしいのはわかっている。書いていて馬鹿みたいだ。でも異常な不安に駆られ泣きそうになりながら全てを完璧にするしかないのだ。ヘトヘトになっても完璧にならない。今日も時間通りに仕事に行けない。そんな日が続いてしまった。

 

仕方なく病院に行った。事前に調べて予想していた通り、強迫性障害と診断され抗うつ剤を出された。

その薬を飲みはじめてから、余計に感情の起伏が激しくなり自分でも訳がわからなくなった。

 

希死念慮が止まらなかった。頭が勝手に死ね、死ねと命令してくる。自傷癖は悪化し、力が入らず箸も持てなくなったりして、毎夜悪夢を見て、金縛りに苦しんだ。

その後色々な薬を試したが悪化する一方に感じた。

 

ひどい睡眠障害は一番ダイレクトに心身を蝕んだ。平均睡眠時間はひどい時期では1〜2時間になっていた。まったく眠れない日も多々あった。

おそらく仕事中にたまに気絶していたと思う。あまり覚えていない。意識が飛んでドアにぶつかり流血したことと廊下で倒れたことは覚えている。